暑さから逃れ、快適な生活を送るために欠かせない、冷房。 この時期、「冷房病(クーラー病)」に悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「冷房病」についてのコラムをお届けします。
@「冷房病」とは?
本来、人間の身体は暑さや寒さなどの自然環境に適応できるよう、体温を一定に保つ機能が備わっています。しかし、冷房の効いた室内で冷たい飲み物を摂って過ごすなど、自然に逆らった環境を続けてきたことで、上記の機能が薄れ、様々な変化が表れるようになりました。それが「冷房病」です。
A「冷房病」の症状
「冷房病」とは、自律神経失調症の一種と言われ、その原因は、大きく2つあります。
1.身体の冷えすぎ
2.冷房の効いた室内と暑い屋外との温度差に身体がついていけなくなること
私たちの身体は、寒くなると皮膚の血管を収縮させて体内の熱を逃がさないようにし、暑くなると血管を拡張させて体内の熱を放出します。つまり、自律神経により体温を一定に保っているのです。
しかし、この自律神経が対応できるのは、温度差5℃程度までで、それ以上の大きな温度変化には身体の対応が追い付かず、温度調節がうまくいかなくなるのです。
この温度調節を一日に何度も繰り返すことになると、自律神経に負担がかかり、体調に異変が表れます。
そして、血液やホルモンバランスに異常が表れ、身体の冷え・頭痛・肩や腰の痛み・むくみ・だるさなどといった症状になりやすい、あるいは風邪をひきやすいといったことにつながります。女性の場合、月経不順をひきおこすこともあると言われています。
また、暑さによる睡眠不足、食欲低下、暴飲や偏食などといった不規則な生活習慣も、自律神経に大きな負担をかけ、
上記のような症状が見られやすくなるリスクがあると言えます。
B「冷房病」の予防と対策
冷房病にならないために必要なことは、冷房を使用しないことが一番の対策。ですが、冷房を使用する際には、
できるだけ屋内外の温度差を少なくする(5℃以内)ことを心がけるといいでしょう。ここでは、予防法と対策をご紹介します。
■冷房から身体を守る
カーディガンやひざかけを利用し、冷気を直接身体に当てないように気をつけましょう。
また、腹部を温めると血液循環が良くなるので、腹巻きなども効果的です。
■身体を動かし血行を促す
長時間、同じ姿勢でいると、血行が悪くなります。デスクワークの方は、軽くストレッチをしたり、屈伸運動をするといいでしょう。
また、ウォーキングなどの軽く汗を流す運動を毎日続けることも良い方法です。
■就寝時には冷房を控える
あらかじめ、ある程度室温を寝苦しくない程度に調節してから、冷房を切って寝ることをおすすめします。
または、2時間程度で冷房が切れるタイマー設定にして寝るといいでしょう。
■入浴で身体を温める
ついシャワーで済ませてしまいがちなこの季節ですが、できれば、37〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりつかるといいでしょう。
また、長湯が苦手な方には半身浴をおすすめします。
汗が出にくい人は、入浴前に水分を補給し、湯船に塩を大さじ1〜2杯入れて入浴すると発汗が良くなるようです。
C温かく栄養バランスの良い食生活を
身体の表面が冷房で冷やされているところに、さらに冷たい飲み物で胃も冷やしてしまうと、消化力が衰えて体力が低下し、自律神経が乱れやすくなります。
ここでは、暑さや冷房に負けない身体でいるためにおすすめの食材をご紹介します。
■体内で熱を抑える食材
キュウリ・ナス・トマト・冬瓜・スイカ など
■利尿作用を促す食材
とうもろこし・スイカ・しそ・トマト・枝豆 など
■暑さに抵抗力をつける食材
そば・ゴーヤ・レモン・メロン・豆腐・昆布 など
他にも、ショウガは食欲を増進し、身体を温める作用があります。
また、サバに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は血液の流れをよくしたり血管を広げる作用もあるようです。
こうした食材を上手に使い、身体の中から元気になりましょう。
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日常生活・食生活の配慮、そして規則正しい生活。こうした対策をしっかりと実行していても、身体がゆがんでいては血液循環が悪くなり、せっかくの対策も効果を減少してしまいます。
カイロプラクティックで身体のゆがみを改善し、よりよい身体で、快適な夏をお過ごしください。